夜のはなし
小さい頃の私が知ってる夜は
星の王子さまに出てくるような世界だった
私はたくさんの夜の中に生きている。
地元は田舎だから酔いつぶれて道路で
寝てる人とか家をなくして暗闇に隠れて
食べ物を探して生きる人もいない綺麗な夜だ。
17歳になった。大人に混ざってお酒を飲む
ようにもなった、お酒が入ると大人は
かたくなに口を閉ざしてたこともぽろっと
言ってしまう。こんな日はさらけ出しちゃう夜
なんだと思う。
あと好きな人のことを考えて無駄にパック
なんてしちゃったらネイルを変えたりする夜。
可愛いピンクのわたみたいなふわふわした
雰囲気に包まれちゃう夜。
こんなふわふわな夜は星の王子さまと夜が
繋がっていた頃に戻った気持ちになる。
色んな夜を考えて私は今日も眠る、
星の王子さまが夢に現れるように。
夏休みのはなし
8月15日、昼下がり
夏休みは学生の特権だ
扇風機をつけて、好きな音楽を聴いて、
口ずさむ。ずっとこうしていたいけど、
1時間後には顔を洗って化粧水をバシャバシャ
顔にかけて化粧してあーだこうだ言いながら
服を選んで家を出なくちゃ。
夏休みは学生の特権だ、いや、そうじゃ
なかったとしても、特権であっていて欲しい。
そしたら今こうして好きな音楽を聴きながら
化粧をする時間が何倍も楽しくなる、
特別な時間だと知って嬉しくなる、そして
夏の終わりが近づいて切なくなる